1. |
冬眠
02:59
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この街は月の影を 直に浴びせて
優しさを偽ること それしかできない
路地裏は猫の声を 黄昏と名付けて
北側の白い部屋は なんだか切なくなる
化けた季節を 人は芸術と呼ぶらしい
静けさは 虚しかった
黒い煙は 街を蝕んでゆくだけ それだけ
この街が昔のこと 忘れる頃には
新しい苦労がまた 生まれることでしょう
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2. |
沼に潜む月
04:03
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呼吸も忘れ まどろむ
古びたフェンス 室外機
時間は止まり 月の光
錆び付いた日々に 影がひとつ
遠く、遠く、遠く
深海から声がする
懐かしい声がする
一歩、二歩、三歩
覚束ない足取りに
耳鳴りと眩暈がする
行方は知れず さまよう
深い方へ 静かな方へ
遠く、遠く、遠く
深海から声がする
懐かしい匂いもする
一個、二個、三個
ひとつひとつ失っていく
何も持っていないのに
遠く、遠く、遠く
深海から声がする
耳鳴りと眩暈がする
何度、何度、何度も
繰り返してしまっている
街には雨が降る
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3. |
しとしと
04:55
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雨を纏った 夢は街を漂う
雨の匂いと共に あてもなく
雨に霞んだ 景色を見ては傷む
虚ろな足取りで どこか遠くへ行こう
足音だけが 響く夜に誰かの
呼吸が潜む ぼくはまどろんでゆく
眩暈にさまよう
ふらふら、雨の匂いが
街を包むように
ゆらゆら漂う
しとしと、雨が降る
街に滲むように
雨が降り止む頃には
こんな気持ちも
灰になってしまうのかな
透明な歌を歌うのだ
幽かな体を伝って
さようなら 街の気配が
変わっていく
ただいま、おかえりなさい
夕食の香りがする
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4. |
おばけの行進
02:59
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わたしは歌うよ 眠れない夜のすみで
おばけの行進 進め 遠い方へ
おばけの行進 息を止め そのまま 沈む
わたしは踊るよ 忙しない日々の中で
おばけの行進 おいで 手のなる方へ
おばけの行進 見えなくなってしまう前に
わたしは歌うよ 覚束ない澄んだ朝へ 向けて
はじまりの気配がする方へ おばけは行く
おばけの行進 進め 遠い方へ
おばけの行進 おばけの行進
おばけの行進 深く息をためて 行こうぜ
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5. |
行方不明
03:09
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耳鳴りがうるさく 静まりかえり
魚が覗き込む この街で
心像に 花は揺れる
眠るように 沈み込む部屋で
行方不明
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6. |
深海
03:22
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深い 深い 底で眠る
優しい声も 届かない場所
ここはさ 少しさみしいよ
くらやみと 孤独の中だ
でも今夜はさ 新しい歌ができるよ
楽しみにしてて
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7. |
魚眼街
01:58
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もう眠いよね 明日朝早いから
おやすみなさい
はあ ため息ばかりが
聞こえるね 聴こえるね
ここは 夢の中じゃないから
思った通りにはいかないね
悲しいことや さみしいことが
楽しいことより 多いね
ああ ためた息を吐き出せ
この街をぜんぶ 覆い尽くせ
死んだ魚の眼でも その弱い足で踏み出せ
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